自律神経失調症の原因・症状・治療法とは|乱れを改善する方法は?

自律神経失調症とは、不規則な生活習慣や日常的なストレスにより、自律神経のバランスが崩れることで、【肩こり、体がだるい、疲れやすい、眠れない、体調が悪い】などの様々な症状があらわれる病気のことです。

自律神経失調症は、「はっきりとした原因のある病気ではなく、病院で検査をしても、からだの異常を見つけるのがむずかしい。」という特徴があります。

そんな、自律神経失調症の、原因・症状・治療法とは、
どんなものでしょうか?

 

 もくじ

▼自律神経失調症とは?

▼自律神経失調症の症状

▼自律神経失調症の原因

▼自律神経失調症の診断

▼自律神経失調症の治療法・治し方

▼自律神経失調症のセルフチェック

▼自律神経失調症を改善するには?

▼自律神経失調症と間違いやすい病気

▼自律神経失調症を治すための食事

自律神経失調症とは?

自律神経失調症とは、自律神経のみだれにより、

  • 体がだるい
  • 疲れやすい
  • 肩がこる
  • 眠れない
  • 食欲がない

などの、さまざまな症状があらわれる病気のことです。

そもそも、自律神経とは何か?

自律神経とは、心臓、血管、胃や腸、などの内臓や、ホルモンの分泌などをコントロールしている神経のことです。

運動をすると心拍数がふえ、食事をすると胃腸が活動するという、からだの調節機能は、自分で意識しなくても体が勝手に調整してくれます。

これが、自律神経のはたらきです。

たとえば、暑いときには汗をかいて体温の上昇をおさえたり、運動をすると心臓の動きをはやくして、筋肉に血液をおくりこんだり、食後に胃腸のうごきを活発にする、などの重要な役割をもちます。

自律神経の種類は、2つある!

自律神経には、活動する神経といわれる【交感神経】と、休息する神経といわれる【副交感神経】の2つがあり、それぞれ下記の役割をもちます。

交感神経 器官 副交感神経
ひろげる 瞳(瞳孔) ちぢめる
分泌がへる 涙腺 分泌がふえる
ひろげる 気管 せばめる
速くなる 心臓 遅くなる
ちぢめる 血管 ひろげる
上昇する 血圧 降下する
動きが鈍くなる 胃腸 動きが活発になる
ゆるむ 膀胱 ちぢむ(排尿)
血管が収縮する 陰茎 血管が拡大する(勃起)

自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあり、交感神経は「活動」するときにはたらき、副交感神経は「休憩」するときにはたらく神経です。

自律神経失調症になると、これらの交感神経と副交感神経のバランスがみだれることにより、様々な症状があらわれるようになります。

自律神経失調症の症状とは?

自律神経失調症のおもな症状は、下記のとおりです。

  1. 体がだるい、疲れがとれない
  2. 眠れない、不安になる、落ち込む
  3. 肩こり、背中が痛い、腰痛
  4. 動悸、息切れ、めまい
  5. 食欲がわかない、胃が痛い
  6. 腹痛、下痢、便秘
  7. 記憶力や集中力がさがる
  8. やる気が出ない、悲しくなる

自律神経失調症は、心筋梗塞や胃潰瘍、がんなどの器質的な病気ではなく、機能的な病気であるため、自律神経のバランスが崩れることで、たいていは複数の症状が同時にあらわれます。

からだに不調を感じるものの、はっきりとした病気が見つからない。いわゆる「不定愁訴(ふていしゅうそ)」と呼ばれる症状があらわれます。

自律神経失調症の原因

自律神経失調症の原因は1つに特定できるものではありませんが、

  1. 過度なストレス
  2. ホルモンによる影響
  3. 生活習慣のみだれ

などの、複数の原因が絡みあっているといわれています。

1.過度なストレスによるもの

過度なストレス、または慢性的なストレスにより、常に交感神経のはたらきが強い状態がつづくと、心臓の動きが活発になり、筋肉が緊張し、血圧がたかくなります。

ですから、リラックスをつかさどる副交感神経のはたらきが抑えられることで、自律神経のバランスが崩れてしまいます。

ストレスに弱い性格、ストレスに弱い体質があると、特にストレスによる影響をうけやすくなります。

ポイント:

喜怒哀楽の感情をつねに抑えていたり、気持ちの切り替えや、環境に適応するのが苦手な人ほど、自律神経のバランスがみだれやすいのです。

2.ホルモンによる影響

自律神経と深い関わりのあるホルモンとして、「甲状腺ホルモン」と「女性ホルモン」があります。

とくに、女性の更年期(45歳~55歳)においては、女性ホルモンが急激に減ることにより、自律神経のコントロールをつかさどる、脳の視床下部に影響をあたえることになります。

また、甲状腺ホルモンは、自律神経のうちの「副交感神経」を刺激するホルモンとして知られています。

ポイント:

自律神経をつかさどるホルモンの分泌に異常があることで、自律神経失調症がひき起こされる原因となります。

3.生活習慣のみだれ

わたしたちには体内時計があり、生体リズムと呼ばれる睡眠・覚醒のサイクルや、ホルモンの分泌、体温や血圧などのコントロールが24時間の周期でおこなわれています。

特別に意識しなくとも、夜に眠くなるのは、体内時計があるからです。

しかし、昼と夜の区別がはっきりしないような環境で生活をしていると、生活習慣がみだれやすくなり、体内時計がくずれてしまうのです。

ポイント:

生活習慣のみだれにより、自律神経のバランスや、ホルモン分泌をコントロールする、体内時計のサイクルが崩れることで、自律神経失調症の原因となります。

ストレスを感じる原因とは?

わたしたちは、様々なストレスの原因に囲まれて生活しています。ストレスを感じる原因としては、下記のような要因があります。

ストレスを感じる原因

  • 仕事上のトラブル
  • 人間関係のトラブル
  • 忙しい仕事、昇進、転勤によるストレス
  • 親や配偶者の病気、子供の受験
  • 借金、家のローンなど

その人が置かれている状況により、ストレスの感じ方は異なりますから、調子のいいときには些細に思えることが、別の時期には大きなストレスとなることもあります。

自律神経失調症とうつ病の違いは?

自律神経失調症とは、自律神経のバランスがみだれているものの、まだ、交感神経と副交感神経はそれぞれの役目を果たしている状態です。

しかし、自律神経のバランスがさらに悪化すると、心身のエネルギーがゼロになり、何のやる気も起きず、考える力を失い、つらい気持ちになる。

という、うつ病の症状がひき起こされます。

ポイント:

自律神経失調症とは、自律神経のバランスがくずれている状態であり、うつ病とは、自律神経のバランスが崩れることにより、病的にひどく落ち込み、エネルギーがゼロになっている状態のことです。

自律神経失調症の診断

自律神経失調症という病名は、医学的には正式な名称ではありません。

なぜなら、検査で自律神経の失調を確認できるわけではなく、自律神経のみだれに関連していそうな症状をまとめて表現しているだけだからです。

自律神経失調症の診断とは?

自律神経失調症とおもわれる症状の原因を専門的に分析すれば、軽度のうつ、神経症、不安障害などの病名をつけることもできます。

しかし、からだに異常がなく、あきらかな精神疾患がない場合には、暫定的に自律神経失調症と診断して、適切なストレス管理と対症療法をおこなうことにより、症状が軽快することがおおいのです。

もちろん、患者さんが医師に「自律神経の失調症で、大きな病気ではありません」と言われれば安心できる、という面もあります。

自律神経失調症の治療法・治し方

自律神経失調症の治療では、心と体の両面にはたらきかけるのが基本です。さまざまな原因にあわせて、治療法にもおおくの種類があり、一人ひとりの状態や希望をかんがえて治療をおこないます。

自律神経失調症のおもな治療方法・治し方

①薬物療法:自律神経をととのえる薬や、抗不安薬などにより、自律神経失調症を治療します。

②理学療法:マッサージや指圧、ストレッチなどをおこない、肩こりなどの症状を緩和することで治療をおこないます。

③自律訓練法:自律訓練法は、ドイツの精神科医シュルツにより体系化され、自律神経のバランスをととのえるための、瞑想のようなリラックスによる治療法です。

④心理療法:カウンセリングなどの方法により、ストレスの原因となっている事柄や、自分自身の心理的な背景を理解する治療法です。

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まずは、かかりつけ医に相談しよう。

自律神経失調症のように、さまざまな症状があらわれる病気では、診察対象がこまかく細分化されている大きな病院へいくよりも、気軽に相談できるかかりつけ医に相談するほうが適しています。

自律神経失調症のつらい症状が出てきたら、内科、整形外科、耳鼻科、婦人科などの、一般科でひととおりの検査と診療をうけたほうがよいですね。

ごく初期のレベルの自律神経失調症なら、ゆっくりと体をやすめて、対症療法をうけているうちに症状がよくなることが多いです。

ポイント:

もし、一般科を受診しても原因がみつからない場合や、自律神経失調症という診断はされたものの、症状がよくならない時には、心療内科や心身医療科を受診するようにしてください。

自律神経失調症で処方される薬とは?

自律神経失調症で処方されるおくすりには2種類のタイプがあります。

①症状をおさえる、対症療法のお薬:

  • 鎮痛薬:痛みがあるときの対症薬
  • 整腸薬:おなかの具合が悪いときの対症薬
  • 睡眠薬:眠れないときの対症薬

そのほか、漢方薬や自律神経調整薬なども、症状にあわせてよく用いられます。

対症療法で症状が軽くなれば、身体的なストレスがなくなることで、さらに治療の効果があがるという好循環が期待できます。
②ストレスや不安をおさえるお薬:

  • 抗うつ薬:うつの原因となるセロトニンやノルアドレナリンの減少をおさえる。
  • 抗不安薬:不安をおさえる、催眠、筋肉をゆるめる、けいれんをおさえる、など、精神を安定させる。

自律神経失調症により、うつや不安の症状がおおきい場合には、一時的に抗うつ薬や抗不安薬が処方されることがあります。

また、状況により、専門医による自律訓練法や精神療法がすすめられることもあります。

ストレス解消、リラックスが大事!

自律神経失調症とは、ストレスや生活のみだれなどにより、交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまうことでひき起こされる病気です。

ですから、ストレスを上手に解消するやり方を知り、生活習慣をただしくすれば、症状はかなり軽くなります。

生活にメリハリをつけ、からだのリズムをととのえる。

睡眠不足や運動不足などが続くと、からだのリズムが失われることで、血流が悪くなったり、自律神経やホルモンのバランスがみだれる原因となります。

反対に、規則正しく、健康的な生活をおくることで、多少のストレスにも柔軟に対応できるようになります。

症状があるときだけでなく、定期的に受診しよう!

自律神経失調症の症状は、軽くなったり、ひどくなったりをくりかえすことがありますが、症状にかかわらず定期的に通院することが大事です。

そうすることで、主治医はあなたのちょっとした変化にもすぐに気づき、的確な治療をすすめることができます。

自律神経失調症のセルフチェック

「身体的症状」と「生活状態」のどちらか、または両方にあてはまるものが3つ以上ある。

そして、その症状がなかなか回復せず、または徐々に悪化している場合には、自律神経失調症だと考えてもよいでしょう。

身体的症状

  1. 疲れて体がぐったりしたり、なかなか疲れがとれないことが、よくある。
  2. 胸が締め付けられたり、息苦しくなることが、よくある。
  3. 心臓がドキドキしたり、速く打って気になることが、よくある。
  4. あまり寒くないのに、手足ひどく冷たくなったり、しびれや痛みを感じないことが、よくある。
  5. 食べると胃がムカムカして胃もたれがしたり、食欲がなくなることが、よくある。
  6. 便秘や下痢をくりかえしたり、おなかが鳴る、おなかが張る、という症状がよくある。
  7. よく肩や首がこったり、そのせいで頭が痛かったり重かったりして、憂うつな気分になる。
  8. 緊張すると、手やわきの下に汗をたくさんかいたり、からだがカーッとなって汗をたくさんかくことがある。
  9. 耳鳴りがしたり、立ち眩み、めまい、のぼせをよく経験する。
  10. 皮膚に発疹が出やすかったり、すぐに赤く、かゆくなることがある。

生活状況

  1. 家族・職場・学校など、日常の生活場面でいつも気にかかる未解決の問題をかかえている。
  2. 自分の明日の生活、将来の生活にあせりやふあんがあり、いつも精神的に不安定な状態にある。
  3. 仕事・家事・対人関係などで、いつも精一杯のことをやろうとして、疲労困憊してしまうことがある。
  4. できるだけ他人からよく思われたいと思って、他人の評価や視線をいつも気にして行動している。
  5. 他人の意見や、テレビ、雑誌の記事などで気持ちが動かされやすく、影響をうけやすい。
  6. いつも顔を合わせている人に対して気を許すことができず、心の交流がすくない。
  7. 職場、学校、家庭など生活空間の中に、どうしても自分と相容れない感情的に対立する人がいる。
  8. 幼少時より病気がちで、身体的に自信がないため、いつも消極的。
  9. 気分のよいときは頑張りすぎたりはしゃぎすぎたりしがちでも、調子が悪いときはやる気がなくなってしまう。
  10. 毎日の生活にいきいきした感動がなくなり、どうして生きているのか自分でもわからないことがある。
①「身体的症状」または「生活状況」のどちらか、または両方に3個以上該当する項目がある。
②身体症状が、「頭と皮膚」または「頭部と腹部」のように、一見関連性のないところにでている。
③その症状が、少しからだを休めたり、気分転換をしようとしても、なかなかよくならない。または、徐々に悪化している。

これらの症状に該当している場合には、自律神経失調症であると考えられます。

自律神経失調症を改善するには?

日常生活の中でも取り組みたい、自律神経失調症を改善する方法について、ご紹介していきます。

1.朝起きたら日光をあびる

朝起きたらまずは、カーテンをあけて日光をあびる習慣をつけるようにしましょう。目から光の刺激をうけることで、しあわせホルモンの「セロトニン」が活性化されます。

セロトニンには、自律神経のみだれを改善するはたらきがあり、朝に日差しをたっぷりと浴びることにより、体内時計のリズムもリセットされるのです。

2.軽い運動をする。

適度な運動することで、心臓から血液が送りだされることにより、セロトニンをはじめとした神経伝達物質が活性化して、爽快な気持ちになります。

まずは散歩やウォーキング、ヨガやストレッチなど、無理のない軽い運動からはじめてみるのがおすすめです。

3.ぬるめのお風呂にゆっくりつかる。

ひごろ何気なく入っているお風呂も、りっぱなストレス解消法になります。ぬるめのお風呂に30分くらい、ゆっくりとつかりましょう。

水の中では浮力により、体重は空気中よりも約9分の1になるため、筋肉や関節の疲れがやわらぎます。

ゆぶねにゆったり浸かっていると、しだいに副交感神経のはたらきが優位になり、リラックスしてきます。

ポイント:

ぬるめのお湯にゆっくり浸かるのがポイントです。逆に、42度~43度の熱すぎるお湯では、交感神経が活発になりますので、ご注意ください。

4.ぐっすりねむる。

不規則なせいかつや、眠る時間がみじかすぎると、自律神経がみだれる原因となります。

ひとの体は、眠っている間に、疲れを回復し、記憶を整理し、ホルモンバランスと免疫をととのえています。

ぐっすりと十分な睡眠をとることにより、からだの疲れが回復し、ホルモンバランスと自律神経のみだれを改善することができます。

ポイント:

睡眠時間は、長すぎず、短すぎない、7時間~8時間がいちばんと言われています。寝る前にはスマホやPCなどのブルーライトを見つめないようにしましょう。

5.腸内環境をととのえる

腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、ストレスや緊張などの精神的な影響をうけやすい器官です。

便秘や下痢などにより、腸のはたらきが悪くなると、副交感神経のはたらきが低下してしまいます。

ふだんから、乳酸菌(ヨーグルト、乳酸菌飲料など)や、食物繊維(海藻、いも、野菜類など)を、おおめに摂るように心がけましょう。

また、乳製品などに添加されているフラクトオリゴ糖は、消化されずに腸までとどき、ビフィズス菌のエサとなります。

ポイント:

散歩やかるい運動をすると、腸が刺激されて便秘の解消にやくだちます。とくに、デスクワークのおおい人は便秘になりやすいので、積極的に運動をしましょう。

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自律神経失調症と間違いやすい病気

自律神経失調症と症状がよく似ており、間違えやすい病気があります。

自律神経失調症と間違いやすい病気

貧血:からだがだるい、疲れやすい、顔色が青白い、動悸や息切れがする、などの症状が、貧血により引き起こされます。

糖尿病:疲れやすい、だるい、手足のしびれ、のどの渇きなどの症状があり、重症になると、痩せてきて、失明、動脈硬化、心臓病などの合併症がでてきます。

バセドー病:環状腺刺激ホルモンの分泌以上により、ひき起こされる病気で、発汗、頻脈、動悸、血圧上昇、精神不安、手足の震えなどの症状があります。

脳腫瘍:からだの平衡感覚をつかさどる脳幹部にできた脳腫瘍により、頭痛、ふらつき、めまい、耳鳴りの症状があらわれることがあります。大人になって初めてけいれんの発作が起きた場合には、脳腫瘍が疑われます。

がん:がんの中には、うつのホルモンを出すものがあり、「うつ病をみたらがんを疑え」といわれているほどです。がんが原因のうつにより、自律神経失調症がおこることもあります。

これらの病気の疑いをなくすためにも、まずは病院の一般科で検査をうけることをおすすめします。

自律神経失調症を治すための食事

自律神経失調症を治すための食事は、下記のとおりです。

1.バランスの良い食事を心がけよう。

バランスの良い食事をかんがえた時に、不足している栄養素ばかりを摂りすぎてしまうと、かえって栄養バランスを崩してしまうことがあります。

バランスの良い食事のきほんは、

  1. ごはん・パン(炭水化物)
  2. 肉・魚・卵(タンパク質)
  3. 野菜(食物繊維・ビタミン)

それぞれの食材をバランスよく食べることです。

ポイント:

不足している栄養素だけに気をとられず、それぞれの食品をバランスよく組み合わせることで、バランスの良い食事を心がけましょう。

2.糖質のとりすぎに気をつけよう。

糖質のとりすぎがどうして良くないのかといえば、それが代謝されるときに、ビタミンB1を大量に消費するためです。

糖質とビタミンB1のバランスが崩れることにより、体内に強い酸が蓄積し、からだが酸性になります。

それにより、疲労、無気力などの症状があらわれます。

ポイント:

糖質をとりすぎると、体内が酸性にかたむいて、疲れやすくなります。砂糖の摂りすぎには注意しましょう。

3.タンパク質を積極的にとろう。

私たちのからだには、ストレスがかかったときに、その刺激から身を守ろうとするはたらきがあり、それに最も重要な役目をはたしているのが、「副腎」です。

副腎は、皮質と髄質からなり、ストレスに対抗するために、副腎皮質ホルモンや副腎髄質ホルモンを分泌しています。

このときに、タンパク質の分解がうながされることがわかっています。

ポイント:

ストレスに対抗するには、タンパク質を積極的にとりましょう。さらに、タンパク質の中には、しあわせホルモン「セロトニン」の原料となる、トリプトファンなどのアミノ酸がふくまれています。

4.ビタミンB、ビタミンCをとろう。

ビタミンBは、脳のはたらきに不可欠だったり、自律神経をととのえるはたらきがあります。また、ビタミンCは、ストレスへの抵抗力を増やすためにも必要な栄養素です。

ビタミンB1:

ビタミンB1は、炭水化物などにふくまれる糖質を代謝して、エネルギーに変える役目をもちます。ビタミンB1が不足すると、糖質の代謝がわるくなって疲れやすくなり、筋肉痛が起こることがあります。

さらに、脳が活動するためのエネルギーを作りだすためにも、ビタミンB1が必要となります。ビタミンB1が不足すると、イライラや集中力、記憶力の低下につながります。

ビタミンB6:

ビタミンB6は、ドーパミンやアドレナリン、セロトニンなどの、神経伝達物質の生成にかかわるビタミンです。ビタミンB6が不足すると、神経のはたらきをよくするアミノ酸の代謝が低下して、不眠症やうつ状態になることもあります。

ビタミンB5(パントテン酸):

ビタミンB5(パントテン酸)は、ストレス対抗ホルモンの「副腎皮質ホルモン」の産生をうながすはたらきがあります。

ビタミンB12:

ビタミンB12は、神経細胞の中のタンパク質や脂質、核酸の合成をたすけることにより、神経系のはたらきを正常にたもち、気持ちを安定させます。

ビタミンC:

ビタミンCは副腎におおく含まれ、ストレス抵抗ホルモンの「副腎皮質ホルモン」を作るためにも利用されています。

ビタミンCが不足すると、ホルモンを作るはたらきが低下し、ストレスに対する抵抗力もだんだん弱くなってしまいます。

ポイント:

ビタミンB群・ビタミンCは、ストレスへの抵抗力をつけるためにも必要な栄養素です。ビタミンをおおくふくむ食品をたべるようにしましょう。

5.不足しがちなミネラル類

マグネシウム、マンガン、セレン、ヨードなど、人体にごく微量ふくまれている無機質(ミネラル)には、精神を安定させるはたらきがあることがわかっています。

ミネラルは、ふつうに食事をしていれば十分に摂取できる栄養素です。しかし、最近の米や小麦、砂糖などの精製されすぎた食品や、加工食品によって、ミネラルが不足しがちになってきています。

ポイント:

とくに自然食品にこだわらなくても、新鮮な野菜や魚、肉をたべるようにすれば、ミネラルが不足することはありません。

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