田七人参とは? 読み方・呼び方 有効成分 効果・効能 副作用 高麗人参 独自成分
漢方:田七人参(三七人参)とは?
田七人参とは、いわゆる漢方薬の一種です。
中国や日本では、古くから漢方薬として利用されてきた、ウコギ科の多年草です。
田七人参を種から育てると、3年から7年ほどの生育期間がかかります。
田七人参の呼び方・読み方
”田七人参”と書いて、「でんしちにんじん」と読みます。
ほかの呼び方としては、
- 三七人参(さんしちにんじん)
- 金不換(金にも換えがたい)
- 山漆(漆のように傷口をふさぐ)
などがあります。
田七人参の有効成分
田七人参の有効成分は、「ジンセノサイド」と「ジントニン」です。
ちなみに、漢方薬として有名な、高麗人参(朝鮮人参)にも、「ジンセノサイド」と「ジントニン」が含まれています。
じつは、「田七人参(三七人参)」と「高麗人参(朝鮮人参)」は、亜種(あしゅ)の関係にあります。
ですから、おなじような有効成分がふくまれているんですね。
田七人参のその他の有効成分
- フラボン誘導体:血流の流れを増やす。
- デンシチン:止血作用があります。
- アセチレン化合物:抗がん作用がある。
- 有機ゲルマニウム:抗がん作用がある。
- 必須アミノ酸:重要な栄養素です。
- その他ミネラル
田七人参の効果・効能
田七人参には、高麗人参の2~4倍の人参サポニンが含まれており、その効果・効能は、下記のとおりです。
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もう少し詳しく解説すると…、
田七人参の効果・効能 ①抗酸化作用:田七人参に含まれる「ジンセノサイド」には、強力な抗酸化作用があり、活性酸素をとりのぞく効果があります。これにより、動脈硬化の予防、心筋梗塞や脳梗塞の予防にも役立ちます。
②免疫力の向上:田七人参に含まれる「ジンセノサイド」は、ナチュラルキラー細胞を活性化することで、体の免疫力を高めます。これにより、インフルエンザや風邪にかかりにくくなる効果があります。
③肥満の予防:田七人参に含まれる「ジンセノサイド」は、腸で吸収されたブドウ糖が脂肪酸と合わさるのを防ぐことで、余分な脂肪を溜まりにくくする効果があります。これにより、田七人参をたべることで、肥満の予防につながります。
④血流の改善:田七人参に含まれる「ジンセノサイド」は、血流をサラサラにする効果があります。血流がサラサラになることで、冷え性の改善にもつながります。
⑤肝機能の向上:田七人参に含まれる「ジンセノサイド」には、過酸化脂肪を抑制する効果があります。これにより、肝臓に脂肪が蓄積することを防げるので、肝機能の向上につながります。
⑥血糖値の改善:田七人参に含まれる「ジンセノサイド」は、すい臓に働きかけて、インスリンの産生をうながす効果があります。これにより、血糖の細胞への取り込みがおこなわれて、血糖値を下げる効果があります。
⑦疲労回復・滋養強壮:田七人参に含まれる「ジンセノサイド」には、強力な抗炎症作用と抗酸化作用があります。これにより、全身の細胞の健康を促進することで、疲労回復・滋養強壮の効果があります。
⑧脳機能の向上:田七人参に含まれる「ジンセノサイド」は、細胞のエネルギー源となる血糖の取り込みをうながす効果があります。これにより、脳機能のパフォーマンスが向上し、精神疲労が軽減されます。
⑨勃起不全(ED)の改善:田七人参に含まれる「ジンセノサイド」には、ペニスの血管と組織を酸化ストレスから保護する効果があります。さらに、田七人参は勃起力を高める成分、NO(一酸化窒素)の産生をうながすことで、勃起不全を改善する効果があります。 |
田七人参(三七人参)の副作用・注意点
副作用
田七人参には、報告されている副作用はありません。
用法・容量を守って使う限りは、かなり安全です。
注意点
(※ただし、妊婦、および乳児には、安全性が確認されていないため、服用すべきではありません。)
また、糖尿病などの薬を服用している場合には、併用すると悪影響をおよぼす可能性があります。
かならず医師に相談してください。
田七人参の亜種:高麗人参
先述のとおり、田七人参(三七人参)は、高麗人参(朝鮮人参)の亜種です。
どちらも同じ、ウコギ科の植物で、有効成分の「ジンセノサイド」と「ジントニン」を豊富に含んでいます。
特に、田七人参は有効成分を豊富に含むことから、古くから「門外不出」の「金不換」と言われていました。
独自成分「デンシチン」の効果
田七人参(でんしちにんじん)に含まれる独自成分「デンシチン」の主な効果は、「止血」と「活血」です。
外傷による出血を止める「止血」の効果と、体内の血の流れを良くする「活血」の効果を、あわせ持っています。
このため、ベトナム戦争のときにベトナム軍が使っていた、有名な「雲南百薬」(成分の80%が田七)の効き目に、アメリカ軍も驚いたというエピソードがあるほどです。
また、血管の破裂などで内出血した血液を流動性のものに変え、または体に吸着させ、体の中に停滞させません。
独自成分「田七ケトン」の効果
田七人参に含まれている、「田七ケトン」という成分には、心臓の冠状動脈を拡張して、血流をふやし、心筋の酵素の消費を減らす効果があります。
これにより、心臓の負担が減ります。
さらに、血液中のコレステロールを減少し、狭心症や心筋梗塞などの症状を改善する効果があります。
田七人参の肝臓への効果
田七人参が注目される理由に、「肝臓への効果」があります。
特に、慢性肝炎には、西洋医学ではいい治療法があまりない現状にあって、優れた治療効果をあげています。
田七人参には、抗ウイルス作用があること、さらに、特異的に肝臓の血液循環をよくする作用があることから、肝炎に有効であると考えられています。
「漢方のインターフェロン」とも呼ばれ、肝臓の特効薬として有名な「片仔廣」の主成分でもあります。
田七人参のダイエット効果
田七人参は、肥満を防ぐダイエット効果も確認されています。
田七人参が血流を改善し、体内の脂肪代謝を活発にして、皮下脂肪の沈着を防ぎ、肥満の予防や改善につながると考えられています。
田七人参の有効成分「ジンセノサイド」とは?
ウコギ科の人参類には、下記の種類があります。
ウコギ科の人参類
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ウコギ科の人参類には、すべて「ジンセノサイド」と呼ばれる、独自の有効成分が含まれています。
ジンセノサイドは、大豆やごぼうにも含まれる、サポニンの一種ですが、特にウコギ科の人参類だけに含まれている独自成分のことを、「ジンセノサイド」と呼びます。
ちなみに、私たちが普段「ニンジン」と呼んでいるオレンジ色の野菜は、セリ科の植物であり、カロチンをたくさん含んでいます。
田七人参の生育環境
田七人参は、中国南部の雲南省など、海抜1200m~2000mのごく限られた地域で栽培され、その地域では古くから薬としてもちいられてきました。
田七人参は、中国の雲南省や、広西省などの高い山にのみ生息し、収穫までに3年~7年の年月をかけて栽培されています。
そして、田七人参を栽培した土地には、その後10年間は雑草も生えてこないほどに、地中のエネルギーを吸い尽くすと言われています。
田七人参の効果・効能:まとめ
田七人参は、中国では数千年前から、最上位の漢方薬として、今でも多くの人に愛用され続けています。
田七人参には、
- 疲労回復、滋養強壮
- 止血、活血
- 肥満予防
- 肝機能の向上
- 脳機能の向上
- 勃起不全の改善
など、非常に幅広い、効果・効能があります。
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